あきれるくらい側にいて
「センパイ?」
後ろに立たれたことはわかっていたのに、たったいま気づいたみたいに振り返った。
「あっ アクツくん…」
「さっきの続き、いいですか?」
「え?」
「自己紹介の続きです」
そう言ってニコってした彼の、ハタチそこそこくらいにも見える無邪気な笑顔。
やっぱり人違いなのかなぁ。
それにしても、このコいくつなんだろ?
新入社員ではないから、少なくとも入社二年目? と考えると、大学出て就職して……今年で24ってとこか。
なんて考えていたら彼の肩越しに、さっきまで彼と座ってた女子社員達の恨めしそうな顔が見えた。