あきれるくらい側にいて
 
と、とにかく服を着なきゃ!

キョロキョロと辺りを見回したら、近くのローボードの上に発見した洋服。

両手で体を部分的に隠し、綺麗に畳まれたそれを取りに走った。

そして、忍びのような素早さで鷲掴みにしたまま布団の中へ潜りこむ。


……その時だった。


最初に聞こえたのはカチャリ。

なんの音?


次にバタンって。

どこから聞こえたんだろ?


それからゴソゴソってして

あっ あのドアの向こうかも…。


パタパタと足音が。

近づいてきた ――


ドキンと心臓が波打った一瞬の後。

3メートル程先のソファの向こうにあるドアが開いた。

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