あきれるくらい側にいて
 
ウっ ウ、ウソでしょーーっ!?

なんなの?
この驚愕すぎる事実は。

あたしって、あたしって……もしかして多重人格?

それとも酒乱な上にハレンチ極まりない、イッ インラン?

顔だけじゃなく全身から引いていく血の気。


それって、すっごくヤバイじゃん。

彼氏いるくせに。
婚約中なくせに。

ヤバヤバだよーっ。

タダシがシンガポール行ってるからって。
3ヶ月も帰ってこないからって。


「ゔーーっ」

「……大丈夫ですか?」


両手で頭を抱えるあたしにハルが声をかけた。

チラっと目線だけ上げてその顔を見る。

なによー他人事みたいにー。そんな飼い主を心配するワンコみたいな目で見ないでよー!

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