あきれるくらい側にいて
 
あたしが淫乱なら、このコだって相当な小悪魔だ。

こんな可愛い顔して、躊躇なく『シましたよ、もちろん』なんてサラっと言っちゃうあたり。

一ヶ月前、あたしの部屋に泊まってあたしの裸だって見たくせに。開発部で会った時は、全然そんな素振り見せなかったし。

昨夜だってこの部屋で、あたしの記憶にないあんなことやこんなことが多分あったのに。どうしてこんなにツラっとしてられるの?


「サクラさん、何も覚えてないんですか?」

って、ちょっと悲しそうな目なんてしちゃって。


「……覚えてない」

「そうですか……じゃあ一応言っときますが」

「なに?」

「一ヶ月前のあの時は、シてませんよ」

「え」

「できなかったんです」

「なんで?」

「アレがなかったんで」






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