あきれるくらい側にいて
 
「お弁当のお金、払うって言ったの」

「いいですよ、それくらい」

「よくないよ」


だって前だって、朝ごはんご馳走になったし……。

そう思っていたらハルが言ってきた。


「じゃあ、今の仕事が終わったら、打ち上げしましょうよ?」

「打ち上げなら、黙ってても誰かが幹事やるでしょ」

「そうじゃなくて…」


“そうじゃない”って、何?
口ごもるハルに『ん?』って顔を向けたら、こんな答えが返ってきた。


「じゃなくて二人でやりませんか? 打ち上げ」

「……二人で?」

「はい。よく頑張りました、のご褒美をください」

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