あきれるくらい側にいて
もっと一緒にいたい
一本の電話と一通のメールを受けたのは、6月22日。
それは、あたしの誕生日の二日前のこと。
電話は、残業をして帰ってきたばかりの午後10時。携帯ではなく自宅へ入った。
「あぁー、やっと繋がった」
回線の向こうで相手は、開口一番にそう言った。
「さっきからずっとかけてたのに、こんな時間まで何をしてたんですか?」
そして吐かれた、ため息。
いまは仕事が忙しい時で残業してたことを話したら、更に大きく吐かれたため息。
「残業なんて言ってアナタ、結婚したらもちろん仕事はお辞めになるんですよね?」
「え」
「結婚したらなんて言わずに色々と準備もあるでしょうし、ぱっぱと退職したらどうですか?」
電話の相手は、タダシの母親だった。