あきれるくらい側にいて
明日帰ってくるって言ってたのに。
それで明後日のあたしの誕生日に、結納をする予定だったのに。
仕事が忙しくて帰れないのは仕様がないけど、それにしても、こんなギリギリになって……。
それに何より、それをどうして直接言ってくれないんだろ?
しかも、あたしの仕事に対するイヤミまで言われたし。
「はぁー」
疲れた体に不意打ちのパンチを受けた気分。
こんな時こそモモちゃんがいてくれたらよかったのに、金曜の夜だから帰ってきてるはずなんてないし。
今頃どこかで酔っ払って大騒ぎしてるんだろうな……。
そして、シーンと静かな部屋に突如鳴ったメール音。
バッグの中へ入れっぱなしだった携帯を取り出して、受けとったばかりのメールを開いた。