あきれるくらい側にいて
「あたし、なにやってるんだろ……」
ポツリと呟いた独り言が、夜空へ吸い込まれていった。
エンドロールが流れ始めた時、その場に立ち上がり、そのままマンションを飛び出した。
すぐに向かったのは何度か行ったことのある居酒屋で。でも今日は一人で飲む気なんてなかった。
カウンター席に案内されそうになったのを遮って、それっぽい年頃の男の子に声をかけた。
だけど予想は外れて、店を出たあたしは一人で夜道を歩いている。
ホント、なにやってんのよ。
「それに、この格好だってちょっとないし」
着ているのは、マキシ丈のワンピース。
綿100パーの家着にしているヤツだ。
しかも、どスッピンだし。