姫とお菓子と俺
「…好きだよ。姫菜」
唇を離し、今度は俺が言う
「当たり前よ!優太も優太が作ったお菓子も、全部私の物だもん!」
そう言いながら、俺から奪ったクッキーを口にする姫菜
さっきまで、泣いていた俺の王女様は、今では涙も止まり満足そうに、クッキーを頬張っている
俺は、姫菜の物
そんな響きも、悪くない気がする
「…おいし?」
「当たり前よ!優太のお菓子だもん」
俺が聞くと、笑ってそう答える姫菜
俺は…
これが聞きたくて
この笑顔が見たくて
明日も大好きな王女様に、お菓子を作り続ける
おわり