Pure
美沙side
あたしは、鈴木 美沙。
今日から高校生。
新学期。
一番レベルの低い高校に合格したあたし。
自分のレベルに合ってるし、校則もゆるくて、楽で、近い。
中学の頃から何かと色々やらかしてた。
そんなあたしがまず、
普通のまともな高校に通える訳なくて。
まじめな方だった中学校で、
「不良」とかいわれる部類に入るような人は誰1人いなくて。
何となく、目立ってやろう、って思ったんだっけ。
髪染めて、ピアス開けて、制服のスカートは切って、メイクもしていって。
学校の中で多分一番目立ってた。
その時の友達も派手な方な子が多くて、
周りの子も、髪を染め始めたり、
派手なメイクをしてくるようになった。
その子たちは親に怒られたみたいだったけど、
あたしの親は何にも言わない。
お父さんは浮気相手に子供が出来て出て行ったからいないし、
お母さんは結構有名なブランドの社長。
家にはなかなか帰ってこないし、
あたしが何をしようと、何も言わなかった。
きっとお母さんの中には、
あたしの存在は無いんだろうな。
でも、お金だけはあった。
言えば、いくらでもくれた。
今思えば、あたしが目立つようになったのは多分、
お母さんにかまってほしかったんだろうな…。