最後の人やな
僕はよくユリコを乗せて走った自転車をその場に鍵もかけないまま放置しユリコの姿を見届けないまま家まで全速力で帰った。
たぶんあのときのスピードは人生で1番速かったように思う。
普通20分くらいかかる家に10分くらいで着いた俺は自分の顔を涙が理化室の水のように勢いよく流れていることに気付き、近くの公園の草村で涙が止まるまで一時待機することにした。
ユリコが離れてしまう悲しさと、ユリコが引っ越しのことを教えてくれなかった怒りとで、俺は生まれて初めて号泣というものを経験した。
後日ユリコから手紙が届いた。
俺はそれをビリビリに破いて捨てようと思ったがかわいらしい文字で書かれたユリコの手紙を見るとどうしても破ることはできず、目を閉じてそっとゴミ箱に捨てた。
そして追い撃ちをかけるかのように、翌日俺は第一志望の高校に落ちた。
たぶんあのときのスピードは人生で1番速かったように思う。
普通20分くらいかかる家に10分くらいで着いた俺は自分の顔を涙が理化室の水のように勢いよく流れていることに気付き、近くの公園の草村で涙が止まるまで一時待機することにした。
ユリコが離れてしまう悲しさと、ユリコが引っ越しのことを教えてくれなかった怒りとで、俺は生まれて初めて号泣というものを経験した。
後日ユリコから手紙が届いた。
俺はそれをビリビリに破いて捨てようと思ったがかわいらしい文字で書かれたユリコの手紙を見るとどうしても破ることはできず、目を閉じてそっとゴミ箱に捨てた。
そして追い撃ちをかけるかのように、翌日俺は第一志望の高校に落ちた。