最後の人やな
かつて神童とまで呼ばれた男が、一人の女に夢中になり、女に逃げられたあげく第一志望の高校に落ちた。

俺はその日以来、人に対して決して感情を持たなくなったし恋もしなくなった。

高校入学後もそんな風だから友達など一人もできず、唯一小学校からずっと一緒だったヨシタカだけが話し相手だった。

三年間何を特別に頑張ったわけでもない。

ただ漫然と毎日を過ごし、高三になって周りが国立大学や有名私立大学を目指す中、ごくごく普通の私立大学に願書を提出し、二月の中ごろにはもう合格が決まっていた。

そしてその後はひたすらインターネットにハマりオンラインゲームで高スコアを出すことや、より良いアダルトサイトを見つけだすことに生き甲斐を感じるようになり、今のような何に対しても無気力な人間になってしまったのだった。

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