♥love girl♥
新事実
「あの...」
「?」
「川嶋さんって...あたしの...お兄ちゃん...ですか...?」
「っ...」
豆鉄砲を喰らったような顔をする川嶋さん
「どうしてそれを...」
「すいません...車の中の話...聞いちゃいました...」
「そう...ですか...」
「教えて...もらえますよね...?」
「...そうですね...知ってしまったんですから...教えろ、と蓮様からも言われておりますし...」
観念したように、川嶋さんは息を吐いた
「どこから話しましょうか...」
「最初から...全部教えてください」
「...分かりました」
そっと笑う川嶋さん
「俺は、ずっと1人でした。家でも、どこに居ても...ずっと1人ぼっちでした。そんな時、俺に妹が出来ました。それが玲華様です...。俺は、すごい嬉しかったです。ついに俺にも妹が、守る家族が出来たんだって...」
あたしは静かに聞き入る
「毎日、母さんのお腹に話し掛けました。早く会いたくて...だけど...母さんは...産んだすぐに赤ちゃんを施設に入れました...」
「俺の家には...子ども2人は育てられないと...そう言われました...やっと...産まれた赤ちゃんを...玲華と名付け...そのまま施設に渡しました...そして...俺が中1に上がった夏...ついに家も取られました...」
嘘...っ
川嶋さんは、今にも泣きそうな目...
「それから...前にも話したようにお父様に拾われ...こうして暮らしています...。玲華様と...久しぶりに会った時には...笑顔が消えてしまって...」