君しか愛せない
「小春・・・お、」
「お?」
「・・・重い・・・!!」
「〜〜〜ッ!葵兄のバカッ!これでも痩せたんだから!!」
心にも無いことだったし、むしろずっとこのままでいて欲しいくらいだったが、この態勢のままでは俺の方がどうにかなってしまいそうだった。
小春は俺に向かって舌を出し、
「ご飯だから早く着替えておいでよッ」
そう言い残すとリビングへと消えていった。
どうにか離れさせる事には成功したが、俺の下半身の熱は一向におさまる気配がない。
「マジ勘弁だろ……」
玄関に座ったまま盛大に溜め息を吐くと、足早に部屋へと向かった。
2階へ繋がる階段を駆け上がり部屋へ入ると鍵をかけカーテンを閉め、ベッドの縁に座りズボンのチャックを下ろす。
体積を増して窮屈で仕方がなかった自身を取り出すと解放感に安堵の溜め息が漏れた。
それを片手で包み、先程の小春を思い出しながら上下に激しく動かす。
背中にはまだ小春の感触が残っていて、それだけでなんとも言えない快感が背筋を駆け上がった。
頭の中に描く小春はもちろん妹なんかじゃない。
俺の首に腕を回し、小春のふっくらとした唇に口付けて……。
そうして何度、小春との行為を想像しただろう。
「……小春ッ……」
小さく名前を呟き手の動きを早め、床に置きっぱなしだったタオルに白濁を放った。
「……ッは、……何、してんだか……」
少し乱れた呼吸を整えながら、勢いをつけてヘッドに倒れ込んだ。
毎度の事ながら自分を慰める為の熱が冷めるのは早く、すぐ冷静になってしまい自己嫌悪に陥る。
そして、左手に握ったタオルはそのまま洗濯機に放り込む訳にもいかず、自分で手洗いしなければいけないのがなんとも虚しい。