KYOSUKE
整った顔立ちの、若い男だ。
見覚えのある顔に、俺はごくりと生唾を飲み込んだ。
短い髪をアッシュグレーに染め上げて、小粋に立たせてある。
すらりと背が高く、スタイルもいい。
男は腕を組むと、路地の塀にもたれかかりながら腕を組んだ。
「よぉ。会いたかったぜ?」
低い声は威圧的で、整った顔に不敵な笑みを浮かべていた。
俺は
会いたくなかった―――
後ずさりしたくなるのを堪えて、それでも驚きに目を開きながら、俺は相手の顔色を窺い一歩下がった。
その瞬間、俺の背後で違う男の声がした。
「そないに急いでどこいくん?」
もう一人の声に、俺は振り返った。
すらりと長い脚が視界に入って、アッシュグレーの髪をした男と同じように塀にもたれかかり、脚を電柱にかけている。
逃げられない―――?
俺の額に、嫌な汗が浮かんだ。
絶体絶命のピンチに、俺はただただ、その男たちを交互に見るしかなかった。