KYOSUKE
バタッ!
俺はその場で倒れこんだ。
「えっ?おい!大丈夫かっ!!キョウスケっ」
お嬢が慌てて俺の元に掛けてくる。
チェリーブロッサムのほのかな香りが鼻に心地いい。
「あ、悪魔二匹が……」
俺がふらふらと揺れる手を宙にかざすと、お嬢は俺の手を優しく握ってくれた。
「悪魔っ!!?キョウスケをこんな目に合わすたぁ!どこのどいつでぃ!!」
天使―――……にしちゃぁちょっとガラが悪いけど
それでも俺には救いの声に聞こえたんだ。
俺は力尽きて、その場で眠った。
そのあと大変だったらしい。
お嬢は「出入りだっ!!キョウスケがやられたっ!」て騒いでいるし、それを組員のひとたちが必死に止めたらしいことを聞いて、申し訳なく思ったと同時に―――
俺はやっぱり嬉しかった。
慧さんも、累さんも
こんな彼女を見たらびっくりして腰抜かすんじゃないかなぁ。
ま、それはそれで見てみたいけどね。
でも結局あの二人……
何しにきたんだろう??