KYOSUKE
考えてみたら、龍崎会長はお嬢のことを、姪以上の愛情を注いで可愛がっている。
彼女のことを単に女として見てるから
って言う理由もあるだろうけど、戒さんの仮定が合ってるなら、自分の片割れでもある彼女を大切に思うのは
至極自然なことだ。
俺が戒さんを大切に思う感情と―――同じ。
思えば彼女は普通の女子高生にはない、迫力と威圧感を具えている。
今までヤクザの一家で育てられたから、だと単に思っていたけれど。
龍崎会長を影で支える
もう一匹の―――美しき龍―――かぁ……
天と地で別れた双つの龍。
それが龍崎会長と
お嬢―――?
だとしたら疑問は生まれてくる。
お嬢は一体いつ頃に“黄龍”を世襲したのか。
まさか生まれてすぐってわけにはいかないだろう。
先代が居るはずだ―――
それは誰か―――