KYOSUKE


ちなみに俺は醤油派です。戒さんはソースだったけど。


鷹雄家は長い間京都にあったから自然味付けも京都寄りになる。


と言っても俺が居たのは3歳ぐらいまでだけど。両親は京都の方が断然長いわけで…


って、そんな情報どうでもいいよ。


「おい、キョウスケ。おめぇは醤油派だよな」と食事の後片付けをしながらタクさんが俺の肩に手を回し、こそっと聞いてくる。


俺はその質問に答えず、


「ところでタクさん出身はどちらなんですか?」と聞いた。


「は?出身??愛知だけどよ。それがどーした」


愛知…う゛ーん…醤油かソースだったらソース寄りな気がするんだけど…


その理論でいくと戒さんも醤油派だろうな。


この場合出身地に関わらず単に好みの問題??


なんて一人で考えてると、


「キョウスケ!どっちなんだよ!!はっきりしやがれっ!」と言って、俺の肩に回った手に力が籠った。


「てめぇはしつけぇんだよ!キョウスケを巻き込むなっ」


とすかさずお嬢の踵落としが飛んでくる。


それをまともに喰らったタクさんは涙目になりながら、俺を見てきた。


「お嬢、機嫌悪いな。アレだな?」


「ああ、間違いねぇな」と一部始終を傍観していたイチさんが会話に割り込んでくる。


「あれ…?」


「アレって言やぁアレだよ。生理の野郎だ」


タクさんの言葉で俺はびっくりして、タクさんに肩に腕を回されたままちょっと首だけを振り向かせた。


確かにせっせと後片付けをするお嬢の顔色がいつもより青白い気がするし、憂鬱そうに顔をしかめている。





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