KYOSUKE
考えてみればお嬢だって女の子だし、当然あるわけで…
鞠菜も重い方らしく、月に一度はおなかを押さえて唸っていた。
男の俺には分からないことだけど、重い人はかなりしんどいらしい。
なんでも子宮をぎゅっと鷲づかみにされてるような…ねじれてるような感じがするって。
ごめん、俺には子宮がないから分からないや。
お嬢……大丈夫かな…
と心配する反面、お嬢が生身の女の子であることを改めて思い知らされた。
それが妙に気恥ずかしくて、俺はお嬢から顔を背けた。
「なぁに赤くなってんだよ♪」とタクさんが突っ込みを入れる。
は??赤くなってる?
「その反応…さてはおめぇ童貞だな?♪」タクさんは何故かわくわくしたように、俺のわき腹をつついてきた。
残念ながら違います。
それにお嬢と同じ歳の妹もいますので、それに対しての免疫はあります。
なんて思ったけど、口にはしなかった。
めんどくさい。
って言うのが正直な理由かな。
「おめぇモテそうなのにな。なんなら今度俺がいい店に連れてってやるよ♪」とイチさんもにやにや。
勘弁してください。そこまで不自由してませんよ。
うんざりしながらも俺はお嬢の方を振り返った。
お嬢は―――
たぶん……“まだ”だよなぁ…
何か潔癖そうだし。
会長に会うときでさえ、あんな可愛いぐらい緊張してるし…