KYOSUKE


「え…?ほんま……?」


これには俺もびっくりした。


俺と同じ歳だし、河野さんはモテるから……当然彼女も経験済みだと思ってたけど。


「……ほんま」


彼女は俺をちょっと上目遣いで見上げると、いたずらっぽく俺の口真似をした。


そしてすぐに顔を赤らめて俯くと、


「鷹雄くん…なんか慣れてそうだから…最初に言っておこうと思ったんだけど………鷹雄くんは嫌だよね」


いや…まぁ、慣れてるて……まぁそれなりに経験もあるケド…


「や。俺は……かめへんけど……河野さんはいやちゃうん?」


俺の言葉に河野さんは勢い込んだ。





「ううん!あたし初めては本当に好きな人としたいと思ってたの。だから、



鷹雄くんがいいの」





初めては好きな人……


大抵の女の子はそうゆうの大事にするよね。


お嬢もきっと……


ちらりとそんなことを考えて、俺は慌てて首を振った。


何度目か分からないけど…もう一度口付けをして俺は彼女を抱きしめた。


頭を抱くと、僅かなシャンプーのいい香りが鼻の下をくぐった。


お嬢の感触をかきけしてほしかった。


お嬢の香りを消して欲しかった。




「ねぇ……今だけは、響輔………って呼んでいい?あたしのことも……」






彼女の言葉を遮って、俺は彼女の額に口付けを落とした。






「ええよ。





桜子」






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