KYOSUKE


「え……そーだったんですか?」


二人の形相にびっくりしたようにちょっと体を後退させる。


「ち、ちなみにアルコールを口に入れるとどうなるんですか?」


俺は恐る恐る聞いてみた。


タクさんと、イチさんは迫力のある睨みを効かせながら、


「「キス魔になる」」と真剣に答えた。


へ――――………?


「て言っても、口じゃないけどなぁ。ほっぺとかでことかに」


タクさんが苦笑いを浮かべて、腕を組んだ。その隣でイチさんも同じように頷く。


「俺らほとんどは大抵お嬢のキス攻撃に合ってるからよ~今更ビビらねぇけど、お前はびっくりしたんじゃねぇか?」


「い……いえ…キスは…」


されなかった。


俺はその言葉を飲み込んだ。


その事実が何だか色々とショックだ。


お嬢がキス魔だってことも、俺だけされなかったってことも。


そんな思いで複雑に俯いていると、


「なんでぃ。お前されなかったのか??」


「男として見られてないんじゃねぇの?男どころか人間も危ういよな」


グサッ


「あんまり存在感ねぇし」


グサグサッ!!



この二人…


普通に酷い……







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