KYOSUKE
存在感がない??
やっぱりお嬢にとっても、俺は居ても居なくても同じ―――?
そんなことを思ってショックを受けてるときだった。
「ぎぇえええええええ!!!!」
と廊下にお嬢の叫び声が響いた。
な、何事―――!!!?
いつも思うけど、あの叫び声、何なの……可愛くないけど、お嬢の声だからやっぱり可愛くて……それに彼女らしい……
―――じゃなくて、
俺たち三人は顔を合わせると、台所を飛び出した。
お嬢の部屋の前ではすでに集まった組員の人たちがスリッパ片手に扉をドンドン叩いていた。
「お嬢!Gのヤツがでたんですかぃ」
「お嬢!!大丈夫ですかぃ!?」
G……GOKIBURI??
アルファベットにしても、なるべくなら口にしたくないな。
するとそろりとお嬢が扉を開け、おずおずと顔を出した。
その顔は昨日の夜見たときよりもだいぶ顔色が良かった。
そのことに幾分ほっとする。
「お嬢!どうされたんですかぃ!」
タクさんが勢い込む。
お嬢は両手のひらを開いてわなわなと見下ろすと、
「どうもこうもねぇ……あたし……何で、起きたら手が泥だらけなんだ??」
その答えに、組員の人たちはそれぞれに顔を合わた。