KYOSUKE


壁や家具はアイボリーホワイト色で統一してあって、所々女の子の好きそうなピンク色のものが置いてある。


奥には大きな窓があり、アイボリー色のカーテンがちょっと開いていた。


その手前にはシングルベッド。ピンクと爽やかなグリーンの花柄をあしらったベッドカバーがかけてあり、ぬいぐるみが乗っている。


ベッドの前にはチェスト。その手前にソファとテーブルセットが置いてあり、向かい側にテレビとテレビ台がある。


掃除が行き届いていて、意外にも女の子らしい部屋だった。


そしてお嬢の愛用しているチェリーブロッサムがいっぱいに広がっていて、


お嬢の香りを


いつもより身近に感じた。


「いい香り……」


ぼんやりと口に出して、俺は慌てて口を噤んだ。


俺、変態みたいじゃないか!


って今はそんなことどーでもいい!!


お嬢を早く横にさせなきゃ。


「お嬢、失礼します」一応断りを入れて、俺はお嬢の体を横抱きに抱えた。


ふわり


お嬢は軽くて、抱きかかえるのに苦労はなかった。


そのままベッドまで歩いていくと、彼女をそっとベッドに横たえた―――




そのときお嬢がうっすらと目を開いて、俺を見上げてきた。



「キョウスケ……」










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