KYOSUKE
キ……キス……?
Kiss、口付け、接吻…
って、どの単語に置き換えても意味は変わらない。
でもすぐにそれが唇と唇で交わされるものではないことに気付いた。
だってタクさんはお嬢は酔うとキス魔になるって言ったけど、唇はないって言ってたから。
頬とか額だったら別に……でも、ここで嫌がったらどうなるんだろぅ…
あれこれ考えて居ると、俺の態度に焦れたのかお嬢がちょっと眉を吊り上げてずいとまたも近づいてきた。
「何だよ、おめぇ最近はやりの“そーしょくけいだんし”ってやつか!?男なら狩れっ!」
いや…狩れって言われましても……
部屋いっぱいに広がったチェリーブロッサムが更に身近に感じて、心臓が壊れそうなぐらい煩い。
ドキドキと高鳴る心臓を宥める暇もなく、
お嬢はぐいと俺の顔を掌ではさんで、
声も出す間もなく―――
唇が塞がれていた。
柔らかい唇の感触を感じ―――
驚きに俺は目をいっぱいに広げた。