KYOSUKE
ん゛ーーーーー!!!?
唇を奪われた衝撃に、
声にならない叫び声を上げると、お嬢は満足したのか、俺から顔を離して
にこにこ笑うと、
「おめぇチューうまいな♪」
なんて言って舌を出し、でちょっと唇をラインをなぞる。
その仕草が大人の女を思わせる、色っぽいもので、俺の心臓が……
心臓の音が……
心臓の音…しない。
あまりの衝撃に驚きすぎて、一瞬だけ心拍数が止まった。
こんなこと医学的にありえないってのに。
た、タクさんの嘘つき―――!!!口にはないって言ってたのに!
お嬢はふぅ、と可愛らしく吐息を漏らしまたもふわふわと笑うと、
後ろにひっくり返った。
「お、お嬢!」
慌てて彼女を支えると、お嬢は壁に頭を打つことなく俺の腕の中に再びおさまった。
はぁ
小さくため息を吐き、お嬢を見下ろすと、
彼女は俺の腕の中で心地良さそうに寝息を立てていた。