KYOSUKE

「欲しいもの……」


バイクの部品…ぐらいかな。


あとは―――





お嬢




なんて言ったら、張り倒されるな。


「特にないですが、どうしてそんなこと聞くんですか?」


「欲しいものない??おめぇどんだけ欲がねぇんだよ」とお嬢は不服顔。


むー…と唸りながら腕を組んでいる。


その困ったような、ちょっと怒ってるようなその顔で、考えるような仕草が俺は結構好き。


可愛いくて、俺は彼女を困らせたくなる。


俺はその姿を見るだけで充分だ。


結局あれこれ考えても欲しいものは見つからず、お嬢はぶつぶつ言いながらもその場は俺を開放してくれた。





―――それから数日後。


俺が大学から帰ると、


「キョウスケ!今日はパーティーだ!♪早く来なっ!!」


とまたも俺は強引に居間へ引っ張られていった。


どーでもいいけど、ここはパーティーが好きな一家だな。


まぁ年中パーティー開いてるみたいにみんなテンション高い人たちだけど。


ちなみに鷹雄組の人間たちは口数の少ない人間が集まっているせいか静かで、事務所はいつも、まるで葬式のようだ。


正反対の組の雰囲気に最初は戸惑ったものの、最近は慣れた。


これはこれで結構楽しいし、いいんじゃない?

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