KYOSUKE


「何だよお嬢!それ逆プロポーズみたいじゃねぇかよ」とイチさんが冗談っぽく笑い、


「おめぇも真面目に答えてんなよな」とユズさん。


「ち、違!そうゆう意味じゃなくて!!」とお嬢は顔を赤くしながら手をぶんぶん振っている。


「でもキョウスケってひよこっぽいよな。見るからにひ弱そ~守ってやらなきゃって感じ♪」とタクさん。


だいぶアルコールが回っているようでろれつが怪しい。


ひ弱そう。守ってやらなきゃ?


いえいえ。今のみなさんが束になってかかってきてもやりこめる自信ぐらいありますよ。


酔ってなきゃどうだか分からないけど。


俺がむしろひよこを捕食とする鷹だって知ったらみんなどんな顔をするだろうな。


俺はシャツの上からちょっと肩を押さえた。


その下の肌には鷹の羽根が彫りもんがある。


今はこんな風に仲良くしてもらってるけど―――


俺が実は白虎の人間だと知れたらみんなはどんな顔をするだろう。






お嬢はどんな顔をするだろう―――






楽しいけれど、少しの不安を抱え



夜が終わりを告げた。








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