KYOSUKE


どうしよう……


「朔羅の周りをうろちょろすんじゃねぇ!!」ってヤキ入れられたら。


思い起こせば、会長には言えないことをあれこれ…


お嬢の過去を知ってしまったし、ついでに言うと部屋にも入ってしまった。


おまけにキスも―――


思いつきすぎて、ぞぞっと背中を嫌なものが撫でる。




――――

――



だけど


様々なことを想像していたにも関わらず、以外にも穏やかなムード。


銭湯は龍崎家から車で10分ほどの場所にあった。広くてきれいな風呂で…


「いい湯だな」


と会長が足を投げ出し、俺の隣で湯に浸かっている。


細身だと思ったのに、思った以上にきれいな筋肉がついていた。


反対側の鴇田さんもだ。


「いい紋背負ってるな」


彼は肩まで浸かって目を閉じると、のんびりと口を開いた。鴇田さんは会長から全てを聞いて知っているようだった。


今更俺が白虎の人間であることを説明しなくても全てを分かっているようだ。


「ああ…これ……」


俺は肩の辺りをそっと押さえた。


「わけぇのに度胸があるぜ」と会長は唇の端にニヒルな笑みを浮かべた。






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