KYOSUKE


すぐ近くに女の子が立っている。


半袖の白いブラウス。二色の青色を織り交ぜたチェックのプリーツスカートは短く、たぶん高校の制服だろう、今時の女子高生を思わせた。


だけど彼女を纏う空気は、しんと静まり返っていて、妙な落ち着きみたいなものを感じる。


長い栗色の髪がふわりと風で揺れ、雨の匂いに混じってほんのりいい香りが漂ってきた。


女子高生は赤いチューリップの柄が入った傘をさしていて、その傘をちょっとずらすと俺を真正面から見据えてきた。


その顔に見覚えがあった。


以前、戒さんが自慢げに見せてくれた女の子だ。


写真の中の彼女もかなりの美少女だったけれど、本人は―――もっと華やかで、そしてどこか女子高生らしからぬ威厳と、迫力を持ち合わせていた。


こうゆうのを何て言うのかな…


そうだ…カリスマ性。そんな言葉がしっくりくる。


誰もがつい目で追ってしまう。そんな感じだ。




彼女が




龍崎 朔羅―――









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