KYOSUKE

写真は二枚あった。


もう一枚は龍崎 朔羅が揃いの制服姿の友達であろう女の子と笑いあって映っている写真だ。


もう一人の女の子は肩までの髪で、いかにもはつらつとした元気の良さそうな女の子だった。


「俺はこっちの方がええですけど?」


「まぁこっちも可愛いけど、やっぱ朔羅が一番やな」


朔羅って…もう呼び捨てにしてるし……


「戒さん、戒さんの捜し求めていた人って……」


言いかけたところで、インターホンが鳴った。


俺と戒さんは揃って顔を見合わせた。


「客や。誰やろ」


会話を中途半端にしたまま俺は腰を上げた。


扉を開けると、大学で同じゼミの女の子の河野さんだった。


「あ…ごめんね、急に。鷹雄くん、こないだの課題貰い忘れてたよ?先生が渡してくれって」


河野さんはさばさばと元気が良い女の子で、たまに喋る仲だった。


だけどアパートまで来たのは初めて。


「わざわざおおきに」課題のコピー用紙を受け取って、俺は彼女を見下ろした。


ちょっともじもじしたように、顔を俯かせている。


このまま帰すのも、どうかと思われた。


「コーヒーでも飲んでく?」


俺の言葉に河野さんはぱっと顔を輝かせた。


部屋には戒さんが居るけど―――ま、いっか………





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