KYOSUKE
ドンナ人―――?
こんな質問を真正面からされたのは初めてだ。
それは漠然としていて、捉えどころのない質問だった。
俺はちょっと考えたのち、
「ヤクザの跡取り息子」
と答えた。
河野さんは目をぱちぱちさせて、しばらく固まったのち、
「やだぁ!冗談ばっかり♪鷹雄くんてそんなキャラ?大真面目で言うんだからっ」
河野さんは声をあげて笑った。
ホントのことなんだけどなぁ。
ま……いっか。
河野さんはマグカップを両手で包むと、ゆっくりと口を付けた。
「ねぇ鷹雄くん」
コーヒーを一口飲むと、彼女はおもむろに俺を見てきた。
「あたし鷹雄くんのこと―――――好き」