KYOSUKE
夕食にピザでも取ろうか、と提案すると、
「ピザなんて食い飽きた。寿司にしようぜ」なんて答えが返ってきて、その日は結局寿司を取ることにした。
「んまっ♪」
好物のウニの握りを食べながら、戒さんはご機嫌だ。
あれ以来、戒さんは河野さんと何があったのか聞いてこない。
こうゆう所、きっちり線を引いてると思う。
他人の触れられて欲しくないところに、むやみやたらと首を突っ込まないことを。
結局、当たり障りのない大学生活のことや、戒さんのアメリカでの生活などの話を交わし、いつの間にか時間は夜の10時を過ぎていた。
俺が夕食の後片付けをしているときに、戒さんは風呂に入っていった。
でも
「あ、しもた…」
俺はノックせずにバスルームの扉を勢いよく開けた。
戒さんは俺に背を向け、脱衣所で着ていたシャツを脱いでいる最中だった。
「戒さん、お湯の使い方……」
言いかけて、俺はその場で固まった。
目を開いて、息を呑む。
「うぉ!お前っいきなり開けるなや」
戒さんはこちらをちょっと振り返ってバツが悪そうに顔をしかめる。
戒さんのきれいな筋肉のついた、スラリとした背中に
ホワイトタイガー―――白虎の彫り物が猛々しく
そして美しく
描かれていた。