チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~

推理小説の謎を解かないままでいる事程、気持ちの悪い事は無い。


詩織は、いくらか早足で耕太達のいるカウンターへと歩いて行き、板の番号を伝えるとその小説の返却日を尋ねた。


耕太は内心ドキドキものだった!


憧れの詩織と会話が出来るのは嬉しいが、今の彼女の心持ちは決して上機嫌とはいえない。


耕太は掌に汗がじっとり湿った手で、パソコンに番号を打ち込む。


「あれ?」


パソコンの検索画面には、該当する推理小説のタイトルが赤色の文字で映し出されていた。


返却日を延滞しているという意味である。


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