チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~
「知らなかったわ……もしかして、プライベートでも……」
詩織は、想像してはいけない光景を想像してしまった。
「いや!…決してそんな事は……」
その時、図書館の窓がガラリと開き…噂の上司が顔を出して、耕太に向かってにこやかに声を上げた。
「お~い、山口君~♪そろそろ休憩時間終わりだぞぉ~。」
『よ~し♪今夜は朝まで帰らせないぞ~♪』
対話くん…
『暴走モード』突入……
「・・・じゃあ…私、そろそろ行かなくっちゃ……」
「ああっ!詩織さん!
違うんです!」
「少し改良の余地がありそうだな……『対話くん』は……」
シチローが残念そうに呟いた。
こうして『プロポーズ大作戦』は失敗に終わった。
冬の木枯らしが、独り残された耕太の足下をぴゅう~っと通り抜けていった。
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