チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~
告白

「ねぇ、シチロー…『最後の仕上げ』ってどういう事?
これで終わりじゃなかったの?」


一芝居した後にシチローのモニタールームにやって来たてぃーだが、当初予定に無かったこの後のシナリオについて尋ねた。


「シナリオなんて無いさ。
耕太君には、オールアドリブで演技してもらうよ♪」


まるで映画監督にでもなったような口振りをしながら、シチローは煙草をくゆらせていた。



その頃耕太は、お見合い会場のすぐそばまで来ていた。


図書館から走りっ放しで、すでに体力は限界に近い状態だった…それでも最後の力を振り絞って、耕太は料亭の入り口をくぐって行った。



一方…IT社長の金田の方は、羽毛田の迫力ある脅しにすっかり萎縮してしまい、最初の横柄な態度はどこかへ飛んでいってしまったようだ。


やがて、お見合い会場の襖が勢いよく開き、最後の主役!山口耕太が登場した!


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