チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~

「ヒッ!ヒエェェ~~~ッ!ごめんなさい~助けてくださぁぁい!(泣)」


金田は、泣きながら靴も履かずに外に飛び出し、中庭の段差に躓いて転びながら大声をだしてどこかへ逃げて行ってしまった。


それを見た耕太は、キョトンとした顔で不思議そうに呟いた。


「あの人…一体どうしたっていうんだ……」





「あっはっはっは~~~♪ヒ…ヒィ~~可笑しい~♪」


突然、詩織がまるで何かがはじけた様にお腹を抱えて大声で笑い出した。


(こんなに心の底から笑ったのなんて、何年ぶりだろう。)



笑い過ぎて涙が出た。


もしかしたらその涙は、今までずっと詩織の心の中で押さえつけていた不安や苛立ちといったものを、全て洗い流す為の涙だったのかもしれない。


やがて、隣のモニタールームからシチローとてぃーだが姿を現し全員が一つの部屋に集まった。


「ありがとう!
皆さん……そして耕太さん!」


詩織は、涙の跡の残った顔を上げ感謝の言葉を述べた。
そして、意を決したように耕太に向かってその大きな決断を伝えた。


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