チャリパイ8~恋のエンゼルパイ~

「耕太さん…私は……」


耕太は真剣な顔で、詩織の瞳を真っ直ぐに見ていた。


何秒かの沈黙の後、詩織が言葉を続けた。







「私!……
アメリカに留学しようと思います!」


あまりに突然な詩織の申し出に、一同は息を飲んだ!


「アメリカ留学だってえぇ~!」


「ええ…父には許してもらえるかどうかまだ分かりませんけど、誰にも頼らずにアメリカで一人で暮らしてみようと思うんです。」


詩織は、お見合いの前にシチローが言っていた『自由と覚悟』について自分なりの答えを出したようだ。


「あぁ………」


耕太はガックリと肩を落とした。
その肩をポンと叩き、シチローが慰めの言葉を送った。


「まあ~最近じゃ、ネットでメールなんかも出来る訳だし…元気出せよ、耕太君。」


それに、ひろき、子豚、てぃーだが続いた。

「ヤケ酒だったら、あたしが付き合ってあげるよ♪」

「私の占いじゃあ、これから先の耕太君の運勢はバラ色よ♪」

「詩織さんの新しい旅立ちを、耕太君も笑って見送ってあげましょうよ♪」


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