白亜の記憶
肩に痛みが走った。

「大丈夫か?」

その声に、驚いて顔を向ける。

ニナだ。

ニナが、こっちに駆け寄ってくる。

紫色の瞳で、心配そうに、白亜を見ている。

「歌会は?」

「中止した」

「って、罰が・・・」

「かまわない。それより、」

優しい色に澄んでいた瞳が、急に、さらりと冷たく色を変える。
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