永遠の華〜last eternal〜

相手もそこまでしつこくなかったから、無言でやり過ごしてきたけど……。




「ねぇ、一人?良かったら飲み行こうよ!」







……そろそろ私だって、我慢の限界だ。







『行かない』






冷たく断ると、甘く濃い香りを漂わせた男が腕を掴んできた。




ちょっと触らないでよ……!





男は食い下がることもなく、掴む腕にいっそう力が入る。






「いいじゃん。一人でこんな所歩いてるってことは、そういうことだろ?」





どういうことだよ!


この勘違いナンパ野郎に、私はイラっとした。





『暇じゃないの。離してよ』



「冷たいこと言わずにさ。ほら」




振り払おうにも、しょせんは男と女。



力に適うはずもなく、低い声になる男に私は引っ張られた。





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