永遠の華〜last eternal〜
「じゃ、もう時間だし移動しよっか」
人混みに紛れて歩き出す茉莉に、私と美香が付いて行った。
少し行った先には、川が流れていて橋の上には
至る所に点々と灯る小さな明かり。
夕日が姿を消し、暗さを増した夜空には、
一面に広がる無数の星。
進むにつれて、お祭りならではのメロディーが耳に入ってきた。
「わぁー!すっごい人だねぇ」
「今年の花火は、今までよりもスゴいらしいわよ」
会場に着くと目を大きくして驚く美香と、
鬱陶しそうに人混みの中を歩く茉莉。
……ここに来るまで、何人とぶつかったことか。
「美香、はぐれないでよ」
「美香子供じゃないもん!大丈夫だよ!」
『……言動と行動が合ってないよ』
大丈夫と言いながら私の服の袖を掴む美香に、呆れながら言った。
でも確かに油断したら、あっという間に人混みに呑まれそうだ。
「ここで良いんじゃない?」
『うん。やっぱり花火の近くは取られちゃってるね』
とりあえず、近くとまではいかないけど正面から花火が見える場所に移動した。
同時にアナウンスが聞こえて、音楽が流れ出す。