永遠の華〜last eternal〜


そんな俺たちをよそに、グラスを片付け終わった悟が思い出したように雅貴に話しかけた。




「あ、そういえば真咲。今日ゆかり来るよ」


「えっマヂ!?」




ゆかりの名前を聞いた途端に、パッと顔を上げて喜ぶ姿が見えた。




「呼んで欲しいって言ってただろ?」

「おー久々だなぁ!女子高生だぜ、やばいっ!」



「にしし」と笑い、オヤジくさい台詞を吐く真咲に俺は呆れた。




ったく、コイツは兄貴に負けず劣らずゆかりバカだ。




少なからず、ゆかりも人から好かれるタイプだ。

外見もあるが、何よりあの性格。

普段から落ち着きがあり、17歳の割には大人びている。



そのせいか昔は、近寄りがたい雰囲気のあるゆかりに友達は少なかった。


ゆかりも必要最低限しか他人に関わりを持たなかったが、
高校に入ってからガラリと変わったのだ。




それからだろう。
あいつに友達が増えたのは。

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