永遠の華〜last eternal〜
「響也は関係ないよ。
香、夕方から何回もゆかりに電話してたんだよ。
でもゆかり出ないから。
そりゃもう、すごいお怒りで」
『…………』
その言葉を聞いて、サァーッと血の気が引いた気がした。
「残念だね、ゆかり」
なんて人事のように言う彼は、香と兄の親友で。
ダークブラウンの少し癖のある髪に、香ほどとまではいかないが、長身の男。
物腰の柔らかさを感じさせるが、
彼は天然記念物なみのスケコマシ野郎の『東馬 悟』。
綺麗な顔立ちの彼の笑顔と優しさで、あら不思議。
すでに彼の虜だ。
悪気なく世の女性を思わせぶるもんだから、タチが悪い。
泣かせた女は星の数。
……なーんて。
『ご、ごめん……気づかなかった……』
「そりゃそうだろうな。こんな時間まで夜遊びしてんだからよ」
『うぅ……』
夜遊び・夜遊びと連発する香の言葉に悪意が宿っているみたいだ。
口では、とても香に勝てないよ……!
「とりあえず、行くぞ」
『え、はい!?』
私の腕をためらいもなく掴む香に、私は驚いた。
ちょっ、女の扱いがなってない!
スーツ着て眼鏡してるんなら、女の扱いには紳士でいなさいよ!