永遠の華〜last eternal〜
「ゆかり!」
『……!!』
私を呼ぶ悟くんの声で、ハッとした。
気がつくと、自分の呼吸が軽く上がっているのが分かった。
『ご、ごめ―――』
声が、震える。
ダメだ。
泣くな。
泣くな、私……!
グッと握り締めた手に、ポタリと落ちる雫。
俯いた視線には、滲んだ私の手が映った。
『……っ』
―――パサ。
堪える私の頭に何かが降ってきた。
何だろう、と思ったけどそれがすぐにジャケットだと分かった。
見覚えのある黒いスーツから甘い香りする。
―――あぁ。
本当に……参っちゃう。