永遠の華〜last eternal〜


「……ゆかり、怖いんだって」



「……あ?」



「自分だけに与えられるものが、怖いって。
どうしたらいい分からないって」





悟の瞳が暗く沈むのが分かった。

めったにこんな表情をしないのに、ゆかりの事になると変わる。


それが愛情なのか、
ただの友達の妹だからなのかは分からないが。




「少しくらい贅沢してもいいのに、それがゆかりには出来ない。
……難しいね」





手にしていたグラスを口に運ぶ。
俺も近くにあったウイスキーに手を伸ばし、グラスに注いだ。

口にすると、少しフルーティーな甘みが口の中に広がる。




「……所詮俺らが何を言ったって、あいつは聞きやしねぇだろ。
あいつは……そういう奴だ」



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