永遠の華〜last eternal〜
「確かにねー。ゆかりたまに物すごい意地を張る時あるから。
普段はいい子なんだけどなー」
「どこがいい子だ。あんな強情っぱりが」
「それは香にだけ。あ、もう一人いたっけ」
悟のその言葉に、俺は眉間にシワが寄るのが分かった。
「少しは優しくしてあげたら?
ゆかりに大していつもあんな態度でいるから、気づかないんだよ」
「……んだよ」
意味深なセリフに、俺は悟を睨みつけた。
それに気づきた悟が、ニヤリと笑って言葉を続ける。
「まぁ、良いんだけどさ?
ゆかりが香のそれに気づかなくても、俺は助言なんてしてやるつもりもないし」
グイッとグラスの中を飲み干し、テーブルに寄りかかる。
それを見ていた俺は、気分が悪くなりクシャ…とタバコの火を消した。
「……チッ。俺はもう寝る。グラス下げとけよ」
去ろうと背を向けるその後ろで
「くくくっ……」と笑いを噛みしめる声が聞こえたが、この際無視。
あいつに構ってたらキリがねぇ。
今日は最悪な1日だ。
カーテンの閉まっていない窓から、
月明かりが照らし出す。
ベッドに寄りかかると、ギシ…と小さな音が鳴る。
今日は寝つきが悪そうだ。