永遠の華〜last eternal〜



「着いたぞ。クク……なに期待してんだよ?」




香の笑いを堪える表情に、私は顔が赤くなるのを感じた。


き、期待なんて……!





『してないわよ、バカっ!』





思わず香の体を押し返し、私は車から降りた。

心臓がドキドキしてる。

らしくもない動揺に、私は戸惑った。



きっと香は、まだ笑っていることだろう。

く、悔しい……!






感情を抑えながら、私は目の前のドアに手をかける。


先に入っちゃえ。




カランと鈴が鳴り、お店の中が目に入る。



一面に広がる夜の空。

壁がダークブルーで統一され、天井に散りばめられたライトが星空みたいだった。


4人掛けや、大人数用のテーブルに、フワフワのソファー。


そのテーブルの中心に置かれた、一輪の花。



広いカウンターには様々なお酒が置かれており、
壁の棚に並ぶお酒も、どれも鮮やかな色をしている。

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