永遠の華〜last eternal〜
「どう?響也から連絡は?」
『……ここ最近はそんなに』
悟くんの言葉に、私はげんなりと答えた。
離れて暮らし始めてから、毎回毎回兄さんから電話が掛かってくる。
今日はどうだったとか、
何か困ってないかとか。
兄さんからの電話が一番困ってるよ。
なーんて思ってても言えずにいるんだけど。
「シスコンは健在かー。
ゆかりがここに残るって決まった時のアイツの顔、今でも忘れないよ」
呆れたように笑う悟くん。
そう、転勤が決まった兄に最初は一緒に来いと言われていたんだ。
でも私は三年生に上がるため、
中途半端に学校を変えたくなくて、行かないと言い張っていた。
それでも食い下がらない兄さんに私は、
『これ以上しつこいと、二度と口聞かない』と言って、あえなく兄さんは降参した。
……今思えば、なんて幼稚なこと言ったんだ。
それでショックを受ける兄さんも兄さんだけど。
そのあと香たちに泣きつき兄さんは、
『可愛い妹がグレた!お前らのせいだ』
と騒いでたらしい。
いや、兄さんのせいでしょ。
全くもって、いい迷惑だ。