永遠の華〜last eternal〜


「どう?響也から連絡は?」



『……ここ最近はそんなに』





悟くんの言葉に、私はげんなりと答えた。


離れて暮らし始めてから、毎回毎回兄さんから電話が掛かってくる。

今日はどうだったとか、
何か困ってないかとか。



兄さんからの電話が一番困ってるよ。




なーんて思ってても言えずにいるんだけど。




「シスコンは健在かー。
ゆかりがここに残るって決まった時のアイツの顔、今でも忘れないよ」




呆れたように笑う悟くん。

そう、転勤が決まった兄に最初は一緒に来いと言われていたんだ。


でも私は三年生に上がるため、
中途半端に学校を変えたくなくて、行かないと言い張っていた。


それでも食い下がらない兄さんに私は、
『これ以上しつこいと、二度と口聞かない』と言って、あえなく兄さんは降参した。


……今思えば、なんて幼稚なこと言ったんだ。



それでショックを受ける兄さんも兄さんだけど。



そのあと香たちに泣きつき兄さんは、
『可愛い妹がグレた!お前らのせいだ』


と騒いでたらしい。



いや、兄さんのせいでしょ。




全くもって、いい迷惑だ。
< 63 / 170 >

この作品をシェア

pagetop