永遠の華〜last eternal〜


『……どういうこと?』


「昨日の今日だからね。香も一応心配してたんだよ」



『……心配?』



「ちょっと黙ってろ、悟」




いつもより眉間にシワを寄せ悟くんを睨む香は、
不機嫌そうにタバコに手を伸ばした。


目の前では悟くんが笑いを堪えている。




昨日の、今日。



昨日は茉莉たちとお祭りに行って、
バッタリと英二に会った。

そして香たちと会い、不覚にも香たちの前で私は泣いてしまった。





―――心配?





『心配、してくれてたの?』




呟くように口にした言葉に、香は反応しなかった。

私とは反対方向をむき、タバコを吹かしている。




『……、ありがとう香』




小さく言う私に、香は小さく「ちっ」と吐き捨てた。




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