永遠の華〜last eternal〜

Bloom eternity



『Bloom eternity』



そう書かれた看板を前に、私は立ち止まる。



…入りたくない、帰りたい。



一歩踏み出せば、奴が待っているのよ…!
それでいいの、ゆかり…!




いいわけない。




問答を始める心の声。



行きたくないが、行かなきゃ後が怖い。



すでにその気の美香たちを前に、
私だけ嫌だとは言えないじゃない…!




結果。
【諦めが肝心】




なんて嫌な言葉!


悔しいけど。
悔しいけど…!


私に拒否権はないようだ。


あったとしても、彼らは許してくれないだろう。

そういう人たちだ。



私としては、この扉が地獄へと向かう入り口に見えて仕方がない。




「ただいまー。
香ーお客連れてきたー」




扉を開き、悟くんが中へ入っていく。

それに続くように私たちも足を踏み入れた。


相変わらず夜空を思わせる店内に、小さく掛かるBGM。

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