永遠の華〜last eternal〜



「下さいって、お願いしたら考えてもいいぜ」





お願いしないと、飲み物すら出てこない店なんですか?


だとしたら、最悪なお店だ。





『結構です!』





ムキになって返事をすると、
香が「ククッ…」と笑いを堪えていた。


ム、ムカツク……!






「ったく、ほれ」






コトン、と目の前に差し出されたグラス。


え、と顔を上げると、目の前に立つ香はいつもと同じで。




グラスの中を見ると、濃いピンクの色をした液体。


炭酸が入っているのか、シュワシュワと小さな音を立てている。




グランベリー。


私が好きな飲み物だった。

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